宇宙化学・地球化学のための周期表

NOTE

• 10-1 文献によって、分類の基準や線引きに多少の違いがある。例えば Co や Ni は、金属-ケイ酸塩間の分配係数が大きいので、多くは核に取り込まれている。しかし、Fe や Mg とイオンの性質が近いので、これらの元素を置換する形でケイ酸塩鉱物にも存在する。このため、親石元素の研究でも考察対象になり得る。このように、各分類は互いに排反ではない。

• 10-2 親生元素は英語で "biophile" または "organophile"。REE = 希土類元素, rare-earth elements。

• 10-3 Fe と金属結合半径や電気陰性度が近いものは合金を作りやすい。

  HSE = 強親鉄元素, highly siderophile elements。これらの元素は貴金属 (noble metals; Ag も入れる)、白金族元素 (platinum group elements, PGE; Au, Re を除く 6 元素) と呼ばれることもある。多くが地球の核に取り込まれていると考えられるが、産出するものは硫化物と共生しているので、親銅元素でもある。

参考文献

• Lee, C.-T. (2018) Geochemical classification of elements, in Encyclopedia of Geochemistry, ed. White, W. M. (Springer, Cham), 545-549. DOI: 10.1007/978-3-319-39312-4_255.
• White, W. M. (2020) Geochemistry, 2nd edn. (John Wiley & Sons). § 7.2.1.
• 佐野有司, 高橋嘉夫. (2013) 『地球化学』, 現代地球科学入門シリーズ 12 (共立出版). § 8.1.

注意書き

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文責

• 峰田竜二 / Ryuji Mineta
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